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ロックの部屋

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CURVED AIR

カーヴド・エア『AIR CONDITIONING』



70年代前期から中期にかけて活躍した、プログレ中堅バンド【カーヴド・エア】、プログレと言うよりはクラシカルなバンドと言ったほうが適切かと思いますが……

クラシック畑のヴァイオリニスト、ダリル・ウェイのヴァイオリンが聴きたくて聴いていたバンドでした。

ダリル・ウェイはカーヴド・エア加入前、芸術スクールで最優秀ヴァイオリニストにも選ばれていたクラシック・ヴァイオリニストでしたが、とある楽器店でエレクトリック・ヴァイオリンを物色していた時に、グループの母体となったメンバーと知り合いバンドに加入します。

そしてバンドのもう一つの個性は女性ヴォーカリスト。ソーニャ・クリスティーナのヴォーカルです。

このアルバムの2曲目『STRETCH』で聴けるグルーブはトラッドなフォークです。ダリル・ウェイのヴァイオリンはリズムに徹していて、女性ヴォーカルであるソーニャ・クリスティーナの引き立て役にしかすぎない。けれど、アルバム中一番乗りの良い曲でもあります。

そして5曲目の「VIVALDI」がダリル・ウェイの本領発揮。これはヴァイオリンに関してはロックというよりは完璧にクラシックの曲調。これだけ聴けばまずは、これがロックのアルバムだとは思いますまい。しかし、途中ヴァイオリンの音を意図的に歪ませているところがサイケデリックでロックっぽいです。

6曲目の「HIDE AND SEEK」なんか、ソーニャの声は寝ぼけていて調子ぱずれ、ギターは歪ませている……かと思うと、ピアノは重くドロドロしていて、まったく奇妙。実験音楽的色彩もあります。

8曲目の「ROB ONE」はフランシス・モンクマンのピアノをベースにウェイのヴァイオリンが伸びやかで、とても美しいです。

10曲目の「VIVALDI WITH CANNONS」のエキセントリックなヴァイオリンとシンセサイザーの絡み、荘厳な教会音楽風パイプオルガンの音色、そして雷の音響効果には驚かされます。

ダリル・ウェイはサードアルバムの後グループを脱退してしまい、それから興味がなくなってカーヴド・エアは聴かなくなってしまいましたが、その後に発表された『AIR CUT』というアルバムの評価が高いらしいです。これは聴いてないのです。最近ようやくCD化されて発売されるらしいですね。

うーん買おうかな、どうしょうかな。(笑)

クラシックがお好きな方にもお奨めしますよ、CURVED AIR。

                         《2004-09-16記》


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